守備に目を向けられると、サッカー観戦がより楽しくなりそうだし、組織の話の側面もあって面白かった。
サッカー守備戦術の教科書 超ゾーンディフェンス論 [ 松田浩 ]
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- 価格: 2,484円
選手時代は広島でバクスターから教えを受け、ヴィッセル神戸や栃木SCの監督を歴任。日本代表の強化などにも携わっている松田浩氏。
「4-4-2ゾーンディフェンス」を基本形として、1冊まるごと解説されている本。
ゾーンディフェンスとマンツーマン
サッカーのディフェンスを「マンツーマン」「ゾーンディフェンス」に大別したとします。
「お前があいつを抑えろ」と個々の役割を決めて、1対1でマークするのがマンツーマンディフェンス。相手の位置によって、自分の守備位置が決まる。ということは、相手の動き次第で守備陣系が崩されてしまう。 また、1対1で、個の力で突破されたらそこで終わり。そして「あいつのとこで負けた」と、はっきり個人の責任になりやすい。受動的だし、あまり楽しくはなさそう。
ゾーンディフェンスは、自分のポジショニングは「最初にボールの位置、次に味方の位置で決まる」と、この本では定義されている。 常にボールと味方の位置を確認し、自分のポジション取りを考える。場合によっては目の前の相手のマークを捨ててでも、別のエリアを守るために走らなければならない。(第一に守るべきはゴール、ゴールにつながる部分を防ぐ必要がある。逆に失点につながる可能性の低い部分は守らない、という判断を各自が行う)
これって、自己組織化とか、自律的なチームの話そのものだった。
クリエイティブなディフェンス
この本、表紙めくるとこんな風に書かれてるんですよね
「ディフェンスはクリエイティブだ!」
なるほど〜
日本人の体格で世界と勝負することを考えたとき、1対1の勝負ではスピードでもパワーでも不利で、マンツーマンでは守りきれない。個々がボールや味方の位置などの状況を常に判断し、組織の力を最大限に生かす、ゾーンディフェンスをもっと広めたいぜ、という本になっています。
具体的なチャンピオンズリーグの試合をもとにした解説だったり、Jリーグのチーム名を挙げての分析だったり、ゾーンディフェンスのトレーニングメニューなどが載ってたり。めっちゃ興味深く読みました。