個人的に、料理家の本は好きでよく読んでいます。自分は料理さっぱりできないけど、考え方、料理家の哲学のようなものを知るのはとてもおもしろい。
丁寧はかんたん
タイトルがよい。
ウー・ウェンさんのレシピ本というより、エッセイ集。ウー・ウェンさんの半生から、料理についての考え方、哲学的なものに触れることができる。
とにかくシンプルに物事を考える。素材そのものを生かす、人間が余計なものを足す必要はない。 シンプルにしていくと、丁寧にすることはかんたんになっていく。なるほどなるほど。
たとえば焼きそば。麺自体が主役なのだから、具材はたくさんいらない。肉や野菜を入れると水分が出て調理も難しくなる。なのでここで紹介されているレシピは、麺とねぎだけ。しかしこれがうまそう……
たとえば茄子とピーマンがあったとき、「茄子とピーマンを使った料理」を考えるのではなく、「茄子のおいしい食べ方」「ピーマンの美味しい食べ方」とそれぞれシンプルに作ればよい。そんな感じ。
あれこれ、ごちゃごちゃに考えない。余分なものは削って、ひとつひとつに、丁寧にむきあう。
料理だけでなく他でも通じる考え方。